突然ですが、あなたはWEBライターと聞くと、どんな仕事だと思いますか?
「ひたすら文章を執筆する仕事」
「一人で黙々と作業できて楽そう」
なんてイメージありませんか?
私もそう思っていました。
でも、新卒・正社員でWEBライターを始めてすぐに気づきました。
「あれ、想像よりもキッッツいぞ…この仕事」と。
今年で5年目を迎えますが、率直に言います。
正社員のWEBライターは、メンタルに来ます。
正直、もうWEBライターは辞めたい。
今日はそう思うに至った、メンタル的なキツさについてお話しします。
※あくまで、一企業で働いて感じた個人的な感想です。
まるでサンドバック!? とにかくメンタルを削られる、ライター業
そもそも、新卒で社会の何たるかも知らない私が、根本的に勘違いしていたのが、「ライター」=「一人で完結できる仕事」だと思っていたこと。
でも、社会人として働いたことがある方なら、なんとなく想像つきますよね。
一人で完結できる仕事なんて、ほぼありません。
とりわけ、会社・組織に属する正社員の場合は、誰かと一緒に物を作ったり、何かを成し遂げるのが当たり前です。それは、ライターとて例外ではありません。
例えば、私の会社の場合、下記のようにライターへ仕事が回ってきます。
①営業が契約受注
②営業からの情報共有を受け、ライターとお客様で打ち合わせ
③ライターが原稿執筆
④原稿をもとに、デザイナーが画像加工・記事デザインを編集
⑤社内の最終チェックを経て、お客様へ記事案を提出
⑥お客様からのコメントをもとに、記事修正
⑦お客様からOKが出たら記事公開
これを見てお気づきでしょうか?
ライターの仕事には、営業・デザイナー・お客様が絡んできます。つまり、3方の意見を聞きながら、お客様が納得する形のものを仕上げないといけないということです。
あちこちから飛んでくる意見を受け止め、形にしなければならないこのライターのポジションは、さながらサンドバックだと思っています。
どんな時、メンタルを削られる?
社内共有が不十分なとき
私の会社の場合、通常、商談時にお客様と話した内容を営業の人がライターへ情報共有してくれます。ただ、
- ほぼノリで受注が決まって、事前情報がほぼない
- 他の仕事が忙しすぎて、ライターになかなか情報共有してくれない
などのトラブルはしょっちゅうです。
その度に、ライターはネットを駆使して打ち合わせ準備をしたり、営業に電話をかけて話を聞きに行ったりします。これだけでも結構疲れます。
(たまに「こういう記事の方向性にしたら、効果が出やすいのでは?」とアドバイスしてくれる神のような営業がいますが、その意見もお客様や社内確認の段階で突っぱねられてしまうこともしばしば…。)
社内でフィードバックをもらうとき
書いた原稿はデザイナーへ渡しますが、その際にデザイナーに内容をチェックしてもらいます。その修正ラリーがこれまた応えます。
これは単純に私の技術不足のせいですが、例えば「記事に一貫性がない」「誰に向けて書いてるの?」「こっちのターゲットの方が、効果出るんじゃない?」なんてフィードバックをもらった日には、記事を大きく修正しなければなりません。泣きたくなります。
記事の方向性が大きく変わる場合は、お客様から了承を得ないといけませんし、打ち合わせで聞けていない情報も必ず出てきますから、お客様に追加で質問紙ながら記事を組み立てる必要があります。
お客様からNGが来たとき
そうこうしてやっと形になった原稿も、お客様からGOが出なければ世に出すことはできません。「ここは読む人がきっと興味を持つ!だから、絶対に書いておいた方がいい」と思って書いたことも、お客様的に「この情報は出したくない」と言われてしまえばそれまでです。
お客様からGOが出る頃には、私が最初に描いた記事とまるっきり違うものが完成したということはざらです。「あれ私、誰のために文章書いてたんだっけ…?」と、ふいに分からなくなることがあります。
最後に… 自分の正義を貫けない人は、疲弊して終わる
今回お話したのはあくまで正社員でWEBライターをしたときの話ですが、仕事の依頼主にフィードバックを受けて修正対応をするのは、業務委託等でも同じではないかと思います。
「読者に商品を買ってもらう」「ユーザー登録者を増やす」など、本来、ライターとは目的に応じた効果を最大限出せる記事を書くのが仕事です。
お客様のご機嫌取りの記事を書くことでも、社内の人間に文句を言われないような記事を書くことでもありません。
でも、人それぞれに思いがあり、正しいと感じることも違います。いろんな意見が出てくる中で、その度に人と話し合い、最良と思われるものを模索し形にする。
「クリエイティブ職はそういうものだ」と言われてしまえばそれまでですが、そこで自分なりの正義を掲げて意見をぶつけ合うくらいの覚悟がないと、早々に疲弊して終わってしまうのではないかと思います。
「ひたすら文章を書いてい”さえ”すればいい仕事」
「一人で黙々と作業できて”楽そう”」
そんな風に思っていた学生時代の自分をぶっ飛ばしたいです。
とは言え、この仕事でしか得られない喜びややりがいがあることもまた事実。
それはまたいつかブログに書き残したいですね。
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